感情の発露は恥ずかしいことではない

 先日、5/24(土)に

東京都豊島区での全国支部長会議に

静岡市空道協会の代表として出席し、

翌日25(日)には

北斗旗全日本空道体力別選手権大会で審判を務めてきた。

 富士市空道協会、浜松市空道協会、静岡市空道協会が参加。

 浜松へ帰ってきて、

読み終えていない物語を読むために喫茶店へ立ち寄った。

 60ページくらい読み進めたとき、

厨房のほうから他人を責めるような、

反面は自分を守るような問いかけが聞こえてきた。

「私を馬鹿にしているの? 話しかけてもにたっと笑って

黙っているだけなのはなぜ。じろじろと不躾な目で観察して」

 最初は客同士のいさかいなのかと思った。

 けれど周りの客が次々にレジで会計を済ませていくのを見るうち、

女性の先輩従業員が、経験の浅い若い男性を難詰しているのだとわかった。

 僕は書を伏せて考えこんだ。

 同じことを僕は昼間の仕事で若い人にといかけたことが

あったからである。

 それはまるで、自分の戯画化だと感じられて

とても恥ずかしくなったし、

一方で、おそらくまわりのひとのほとんどは、

責められている男性のほうに肩入れするだろうと思った。

 けれど僕は、相手を非難している従業員のほうの気持ちが

わかった気がした。

 争いをしかけるまでには

それなりの時間と逡巡があったのだろうと思うのだ。

 テーブルがひっそりとして、

ラストオーダーは三十分も前に終わっていた時刻になって

僕はレジへ向かう。客はもう他にいなかった。

 レジを打つ女性の顔は絶対見るまいと決めていた。

 そんなことをされたらとても嫌だろうと

思ったからだ。

 淡々と会計を済まして帰る道すがら思うのは、

おそらく、どれだけ自分が取り乱したと悔やんだとしても、

どこかにきみの味方はいるんだということだ。

 ぜったいに悩んでいるきみの手を放さないひとが

いるということを信じてほしいのだ。

 こんなことを気にするなんてってきみが気に病んだとしても、

「そんなこと気にするなよ」なんてぼくは言わない。

 気になることは人それぞれなのだからだ。

 何を気にしているのかも訊かない。

 話してくれるなら必ず耳を傾ける。

 つらいことがあったらいっしょに三角座りしようと思う。

 そのうち年月が経って、

年長の僕がひっそりと立ち枯れていっても

本望なのだと思うのだ。

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場は静岡駅近くで稽古をしています。 空道は総合格闘技であり、礼節を重んじる武道です。 責任者・門井研は、大学入学から現在まで35年のキャリアがあります。 静岡県空道協会と静岡市空道協会に所属。 空道は、2026年青森県国民スポーツ大会のデモ競技となりました。

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