かわいいストロマンテ・トリオスター

 近所のスーパー・マーケットで見かけたときは、

緑と赤の葉は派手すぎるという印象を持った鉢植えだった。

 帰宅して調べると

〈ストロマンテ・トリオスター〉という名前だとわかる。

 語感はいいけれど、さりとてすぐに買うわけにはいかない。

 衝動買いばかりしていたら、

アパートの部屋の中が植物だらけになってしまうのだ。

 他にも心配はある。

 部屋に調和するかとか、

人の血管に入りこんでちくちく、させるだけでなく

徐々に精神を病ませてしまうような粉など撒き散らさないだろうか、

延々と調べ続けるのである。

 たかだか消費税込1,400円程度の買い物かもしれないが、

ぼくはこういうものでも迷うのです。

 長いと一年くらい迷い続けることもある。

 今回は一か月間迷った。

 そのスーパーマーケットには、一週間に二回は行く。

 その度に〈まだある〉と思って葉の状態などをじろじろ見る。

 そうして買ってきた〈ストロマンテ・トリオスター〉だったけれど、

夜帰宅すると葉が立ちあがって〈眠っている〉のだ。

 思わず「かわいい」と声をかけてしまったくらいである。

 自分が知った人やもののうち、好んだものはなんでも、

誰かに伝えたいという思いと、

他の人に知られてとられたくないという背反する感情が生まれる。

 でもこの、

〈ぼくだけが知っているすばらしさ〉を

最終的には、知ってもらいたいという気持ちが勝ってしまう。

 散歩中に人とすれ違って、

頭を下げたら「今日は寒くなりましたね」と

思わぬ言葉をかけられて、

「とてもさむいですね」と、

本当はもっと気の利いた言葉を返したかったのに、などと

考えながら、声をかけられたことがうれしくて、

顔を伏せなくてはならなくなってしまいながら

散歩だったのに走りはじめる、

ということは、こと自分に関することでは

特に知ってもらいたいことではないが、

そのことに心を動かされたことは知ってほしい、というように。

 ちなみに寒くなってきたのに薄着で出歩くぼくに

話しかけてくれたのは、祖母と同じくらいの年恰好の女性でした。

 外国人から年齢を聞かれたことは全くといっていいほどない。

 国内だけ、いくつですかと尋ねあっている気がする。

 いくつになったって、

何かを始めたっていいではないか。

 誰かに意地悪をする方法とか、罠を仕掛けて失墜させるやりかたなどという

悪質なことを習いたいのではないのだ。

〈日本人は意地悪〉だと外国人に思われていることを知っている。

 自分の得にならなくても、

他人が進歩する障害となるなら、

多少の損をしても陥穽を仕掛けたいと思うというのだ。

 そんな批判を浴びていると知っているのだから、

少しでも拭いたいと思う。

 できる限りは思いやりを持って他人に接したいけれど、

ただ一方で、悪意を持っている相手には敢然とたち向かう。

+++++

 12月も暦通りに静岡西は道場を開いています。

 空道で、身を守ることができます。

 伝えたいことがたくさん、あります。


 格闘アートを。

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場は静岡駅近くで稽古をしています。 空道は総合格闘技であり、礼節を重んじる武道です。 責任者・門井研は、大学入学から現在まで35年のキャリアがあります。 静岡県空道協会と静岡市空道協会に所属。 空道は、2026年青森県国民スポーツ大会のデモ競技となりました。

0コメント

  • 1000 / 1000