4月3日から月曜・金曜が稽古日

 僕がよく知っている男から夜十時過ぎにメールが来て、

朝からお菓子を持ち歩いているのだがどうしよう、どう思う、と

尋ねてくる。

 彼は一か月も前に、贈り物を百貨店で買ってきたのだが、

どうにも渡すような機会を見つけられずに、

ずっと持ち歩いているのだと言った。

「だってお前があげるものなんだから、

まようことなどないだろう、相手はただでもらうんだ」と言ってやると、

彼は反論した。

「そうかんたんにものごとは、俺のまわりでは運ばないのだ。

もらった相手は迷惑だと感じるかもしれないから」

「それって危険物なのか、薬品とか、爆弾とか」

「いや詰まっているのは俺の、まごころだ」

 それを聞いて噴きだしてしまう。真剣に言っているからなおのことおかしい。

 たしかに、彼の言うとおり、彼のことを遠ざけたい人たちにとって、

まごころなどは煩わしいだけのしろものだろう。

 結局彼は、人にあげようと考えていた土産を、さんざん持ち歩いた挙げ句

家に持ち帰ったようだ。

 その商品を運ぶ予定だったきれいな手提げ袋は、

かばんのなかで傷がついて、

彼が上品だと思って買った外箱は角がへこんでいた。

 彼が見せてくれたとき、なんともいえない気持ちになった。

 けれど幾度も頭の中を経巡ってきた先の、

先端の上に立っている彼には今日一日の責任がある。

 これからだってなにもかもが彼に敵対するかもしれないけれど、

味方はいるのだ。それは僕だと、本人には言わないが、密かに思っている。


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 一昨日土曜日は、我らが師、東孝先生の三回忌で

東京・雑司ヶ谷へ行ってきました。

 その後、全日本空道連盟の幹部、支部長と会食で池袋へ。

 二か月に一度くらいお会いしているので、

まるで近所に住んでいるみたいでした。

 同期の精鋭をみかけて、語り合いたかったのだけれど、

ちょっと挨拶を交わしただけでした。

 彼は中量級の全日本チャンピオンだったし、

いろいろな格闘技にも挑戦してきた。DVDでも姿をみてきた。

 でも彼はそうしたことを鼻にかけたことはなかった。とてもいい男なのだ。

 いまでもお互いに宴会芸の達人として一目置いている、……んだと思う。

 今日月曜は、静岡西の定時稽古。

 桜の木の下で写真を。

 2023年4月3日から、静岡西同好会の稽古は

毎週月曜、金曜の19時〜21時に変わります。

 稽古では、強い当て身をしたりしません。

 小学5年生から、50代までみんなで空道を楽しんでいます。

 とにかくディフェンスができるように、

そして打撃だけ、あるいは投げ技だけ、もしくは寝技だけに頼らないで

動けるように考えています。

 すべての点で、総合的に動けるようになります。

 ストレス発散はとくい。

 ミットを打って、パンチをよけて、相手を地面に転がして。

 春になります。

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場は静岡駅近くで稽古をしています。 空道は総合格闘技であり、礼節を重んじる武道です。 責任者・門井研は、大学入学から現在まで35年のキャリアがあります。 静岡県空道協会と静岡市空道協会に所属。 空道は、2026年青森県国民スポーツ大会のデモ競技となりました。

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