週末のランニングをしているときに少なくとも二度、
別の場所で目にした情景がある。
辺りを睥睨するような女王めいた態度ではなく、
部屋着で玄関の新聞受けを覗きに行く女性の姿である。
僕が土曜または日曜にロードワークをするのはたいてい、
午後四時前後である。だから夕刊だろう。
「今日はどんなことがあったのだろうか。
文化欄の特集に、知られざる世界史なんかが書かれていたら
卒倒してしまう」と彼女が胸を躍らせていると感じるのはなぜか。
笑顔でいるからである。
その全く違う場所の、一人は平屋建て、一人は二階建てのアパートの
玄関から出てきた。
お二方とも、おそらく八十歳は超えていると思う。
彼女たちの所作は、
人間が何歳になっても「KAWAI!」をまわりのひとたちに感じさせる希望である。
こころのかわいらしさは、
年代を経てもあせたり枯れたりしない。
亡くなる瞬間まで楽しくわくわくして生きていきたいのに、
知らないひとたちとともにいると「おまえに常識をおしえてやろう」と
世話を焼かれてしまう。なにもたのしくなくなってしまう。
夕刊を取るときに楽しそうにしていたら、常識人はきっと、
夕刊を読んだことがないの? とか、
世間知に長けた人たちはたぶん、
もうネットに出ているよ、などといって彼女を虚仮にすることで
自分の優位に立った意識で満足するだろう。
熱を冷まされたくないのだ、
少年少女も、青年も、中年も壮年も、
知っていることにすら毎日
心を動かされるひとたちは。
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月曜は5人でたっぷり稽古。
稽古はたのしいものだと思う。
きびしいと感じられるのは、危険なときだけである。
自分は、自分の知らない動きになったときに
前十字靱帯を切ったし、半月板が裂けた。
そうした危険な形にならないように反復するのだ。
なまけたり、いいかげんにしても、
危険でなければとくだん悪いところはない。
知らない動きをとにかくしない。
だから知っていることをできるだけ増やそうと思うのだ。
明日2/9は、フジテレビ系めざましテレビ「キラビト」のコーナーで
大道塾の岩崎大河選手がとりあげられる予定です。
空道のチャンピオンであり、総合格闘技・MMAでも活躍中の
選手です。
道場を離れるととても優しい男です!
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