彼がおとなしく座っていると、
背後から音もなく忍び寄って、
服のうえから男性に乳首を触られる。
 彼が抗議すると
「俺のこれまでの行動から、
男色でないことは明らかだと思うがな」
と男性は言ったということだ。
 そういう問題にすり替えられる。
 別段、彼だって男色でもなんでもないのだ。
 他人の身体にいともたやすく触れるのは、
いまや時代遅れではないか。
 触れられていいときと人物と、
違うときとひとがいるだろう。
 相談するところがないことが、
ひとを破滅に追いやっていく。
 想像してほしい。
 自分の娘が、息子が、父や母が、
同じ仕打ちをされることを。
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