浜松市内でも有数のパワースポットと言われる
秋葉山本宮秋葉神社は、
自宅から四十二キロの距離のところにあるとあらかじめ地図で調べてあった。
往復85kmなら日帰りできると考えて、
日曜日、JR浜松駅前からロードバイクに乗ってでかけた。
愛車はDAHON DashX20。本当に疲れたら折りたたんで電車に持ちこんで帰ることができる。
国道152号を行く二十キロほどは平坦な道だった。
折しもいい気候で軽く汗ばむ程度。キンモクセイの香りがずっとしていた。
山あいの道を入っていくと、秋葉山への道案内版が出てくる。
秋葉山の登山道へ向かう橋の前で、
下りてきたらしいロードバイクの男性が信号待ちをしている。
頭を下げてあいさつすると向こうもうなずく。
しかし表情は晴れやかでない。疲れているようだ。「本当にあなたは上るの」といいたげな表情に見えた。「でもあなたも上っただよね」とこちらも無言で答えて走りだした。
入り口には民家が数軒あったがすぐに急峻な道となる。
上りはじめてすぐに彼の合図の意味がわかった。この道は車でないと上りきれないだろうと感じたのだ。
案の定、途中でふくらはぎがつってしまう。そのたびに曲げ伸ばしをしてしのぐ。
けれど続いて両足の大腿筋までがつる。
不自然なくらい筋肉が盛りあがり、とても痛くて路面に座りこんでしまう。
2時間経ってもつかなければ断念して山を下りようと思ったが、
結局16時過ぎに秋葉神社に到着したので参拝した。
見晴らしもよく、来て良かったと思った。
ただ帰り道は、すぐにでも干物になりそうなくらい体から水分が抜けていて、
ロードバイクに乗ったまま気が遠くなる。
それは眠気のせいだと気づいて、コンビニで眠気覚ましの飲料とチョコレートを食べると驚くほど回復した。
残りの20kmを走って帰宅したのは19時半を過ぎていた。
七時間に及ぶ小旅行のあと、シャワーを浴びて飲むお酒はおいしいけれど、気づくと前足を折りうずくまる動物のような格好で眠っていて、少し笑ってからまた眠った。
明けて今日月曜日は空道の稽古を4人で。
一年にいちどは、旅に出ようと思っているが、
空道の稽古は個性あふれる優しき猛者たちのおかげで、
毎回が小さな旅のようである。
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