朝、団体が集うところへ出て
「おはようございます」と挨拶すると、
ほとんどのひとが顔も上げずに無視したり、不快な表情をしたり、
〈落ち着け〉と成熟ぶるんですけど、
僕にはみんな幼稚に見えてしかたがない。
恥ずかしがってばかりで、
無言でいるくせに、
おはようなどとは絶対に口にせず、会うとたちまち
「あれさあ」と昨日の続きみたいに口を開く。
見渡せばみんな親戚、という環境ならわかるけれど。
僕の考えるふつう、というのは、
朝会えばおはようといい、目が合えばまた言葉を交わす、
押忍と言ってくれれば互いに武道家だと思うので押忍と応える。
なれあいなんてぬるま湯につかれるのは
よほど恵まれたひとたちなのだ。
ただふつうでありたい、と思う人こそが、
現代では反逆者になってしまった。
きゃきゃ、ひゃひゃ、と笑って、ひそひそ話をするひとたちが
凡庸なひとと見なされる時代になってしまった。
個性のあるひとたちは美しい。
子ども、もしくは老人みたいなひとは魅力がない。
ここでいうのは、子どもと壮年に魅力がないというのとは全然違う。
むしろ子どもと壮年はすばらしい。
あくまでも〈みたいな〉ということである。
言い換えれば、未熟もしくは傲岸、
ということであろう。
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