試合前なので、疲れを残さないよう気を配ってやる練習でも、
やはり普段と同じように、自分を追い込む、安心な避難場所へ。
試合前と言ってもぼく(門井)が出るわけではなく、
二人の選手が調整できるようにぼくは受け手に回る。
3分×10ラウンドに加えて、3分×6ラウンドのマス・ライト・スパー。
49歳のぼくには少しこたえるが、そんなことをいうと、
68歳の父は笑うだろう、「まだ若いじゃねえか」。
先達がその姿で教えてくれるのは、
何歳になったらどれくらいの体の状況なのか、ということである。
父が49歳だったころ、確かに彼は若かった、と思う。
肉体も精神も、使えば使うほどすり減っていくわけではない、
それが老化というわけではない。
使う分だけ研ぎ澄まされていく、ぼくたちの心身を。
記憶よりも、未来に思いをはせる、ぼくたちの道を。
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