年末、通勤途中で信号待ちをしていたら、
散歩途中の小型犬がこちらを見たことがあった。
子犬は視界に入ったしかわいいなと思ったけれど
〈犬は目が合うと不安になる〉と思って見んかったし、
むろんのこと敵視したりしたりする気持ちもさらさらない、
と考えながら路上に視線を落とした。
ことし一年は、ひとのこころがわからなくて
いくども悩んだ。
いや何十年以も懊悩していた。
だめな自分に愛想を尽かしかけた。
でも、自分しか味方がいないので、
〈しょんねえなあ、俺んいてやるでがんばりめえか〉
って声がするのだ。
そんなことが、誰にもあると思う。
夜、前川陽子「夜霧のハニー」を聴く。
もうちょっとサイボーグなところが自分にあったら、
超然と生きられるのではないかなと思うんだけれど。
にんげんのすることはとてもすばらしい。
ミスをするからだ。
横道にそれて、通せんぼがあって、いきどおるからだ。
今年ももう終わる。
来年がどんな年になるかまったくわからないけれど、
独力でできる努力だけは続けていく。
どんなことを、何を失っても、
なにをこころのなかに掲げているかは忘れずにいたい。
いい年になりますように。
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