空道昇級審査の激闘

 年に一度、大学時代の仲間から旅に誘われる。

 去年の12月は浜松市に集まった。

 ことしは12/14(土)、静岡市清水区へいって

すしで昼食を。

 店内の人が窓の外を、珍しそうに見ているので

視線の先をうかがうと、

白鳥が二羽、船着き場にいた。

 海に白鳥がいるので、ちょっと珍しかったようだ。

 ほろ酔い気分で清水港クルーズ。

 ゆりかもめがたくさん来てくれていやされる。

+++++

 明けて今日、15日(日)は、

名古屋市で空道の審査会だった。

 静岡駅から新幹線に乗って、

自宅のある浜松を通り過ぎてそのまま

名古屋駅まで行く。

 これは完全に乗り過ごした感じのする経路なので、

乗っている途中でいくどもはっとする。

 静岡西道場からは、

松為和幸(無級)が昇級に挑んだ。


 審査は、基本、移動、受け身など技術が身に付いているかを見られる。

 最後に1分間のガチスパーリング。

 相手のパンチをかいくぐり、くび相撲からひざ蹴りをし、

足払いを決めたりするなど、すばらしい闘いだった。

 終わったと思ったら、もう一試合追加となったが

最後まで全力で駆け抜けた。

+++++

 空道は顔面を含む全身への打撃と、

投げ技、寝技があるノックダウン制の競技である。

 ミドルキックをまともにうけると、あばらにひびが入ることがある。

 パンチもクリーンヒットするとダウンする。

 投げられて、寝技に入って関節技で勝負が決まる。

 そんな競技に、十代、二十代だけが参加しているわけではなく、

女性もいれば、六十代の選手もいた。

 緊張し続けてこの場に臨み、

ただひたすら相手を倒すためにがんがん打ち合う、

投げ合う姿を見ているうちに

なんでそこまでするんだろう、と思う。

 相手と向き合う。何をしてくるかわからない相手から

目を離すことができない。恐怖心が湧く。

 終わったあと、最中のことをほとんど覚えていないほど

頭の中が真っ白の状態で体だけが動いていくのだ。

 けれど彼らの姿を見ていて、ふと

そうだ僕もそうだったと思いだす。

 その不安や恐怖を乗り越えるために、

いつもはちょっと情けなかったりする自分を少しだけ、少しだけでも

動かしたいのだ。

 僕の日常はなんにもうまくいかないまま過ぎていくし、

毎日なにも達成もできないし、

他人のことを傷つけてばかりいる。

 それでもまだ、成長できるんじゃないかと思って、

糧になりそうなことを毎日重ね続ける。

 そうして、他人にもっと優しくなることができたらいいのに。

 いまだ自己改造中で、不完全すぎてまわりのひとから愛想を尽かされても、

いつか真人間になれたらいいと、帰り道を歩きながら願う。

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場は静岡駅近くで稽古をしています。 空道は総合格闘技であり、礼節を重んじる武道です。 責任者・門井研は、大学入学から現在まで35年のキャリアがあります。 静岡県空道協会と静岡市空道協会に所属。 空道は、2026年青森県国民スポーツ大会のデモ競技となりました。

0コメント

  • 1000 / 1000