アボカドの芽はどんどん伸びていく

 去る7月9日、豊田市で開催された2023豊田大谷高校杯へ、

審判として参加した。

 この大会は中部地区で空道をしている中学生、高校生たちが

日ごろの練習の成果を試すために行われているものである。

 わが静岡県空道協会からも選手が参加し、

富士市空道協会の増田旭翔選手は16歳以下、50kg以下の部で

みごと優勝した。

 選手たちの果敢な戦いぶりにも感銘を受けたが、

ぼくが頭の芯を射貫かれたのは

開会式で、全日本空道連盟の神山副長がおっしゃった言葉だった。

 慧眼を感じた。

「自分を変えたいというひとがいるなら、

もっとも簡単なことは、大きな声で話す、あいさつをする、

ということです」とおっしゃったのだ。


 なあんだ、そんなことか、と思う人がほとんどかもしれない。

 でも人に伝わる声で言葉を発するということは、

相手に敵対していない姿勢を示しているとぼくは思う。

 方言や訛りがあるかないかの問題ではなく、むしろあったほうが

豊かな文化を背景に感じさえするのだが、それは傍に置いておく。

 音量の問題でもない。大きくなくても、伝わるのである。

 ぼくは衝撃を受けた。


 伝わらないときはことばが不明瞭だったりして誤解を呼ぶ。

 はっきり敵対する所作は〈無視〉だし〈にらむ〉ことだろう。

 いずれも卑怯者、もしくは身の程知らずのすることである。

 対抗するには、

実力の裏付けをもって、顔を上げることだと思うのだ。


 1週間のうち、5日は成長するために自分を研磨しようと思っている。

 けれどうまくいかない人生に、ときにはなやむ。

 おとなだって苦しむ。ぼくがいま、もっとも関心があるのは、

つらい気持ちを抱えるひとと、あまり気づかれずにそばにいるつもりになって、

ふたんにならないように。

 踏まれても蹴られてもぺちゃんこになって

押し花になって本棚にしまわれて、誰も彼もから忘れられてもいいから、

自分だけ知っていたい、

さいごまで生き抜く姿勢をつらぬくこと。

 ぼくはきみの味方だっていっているだに。

 いっしょうけんめいにいきているすがたはうつくしい。

 スーパーマーケットで買ったアボカドの種を水栽培で育てたら

芽が出た。ぐんぐん伸びていく。

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場は静岡駅近くで稽古をしています。 空道は総合格闘技であり、礼節を重んじる武道です。 責任者・門井研は、大学入学から現在まで35年のキャリアがあります。 静岡県空道協会と静岡市空道協会に所属。 空道は、2026年青森県国民スポーツ大会のデモ競技となりました。

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