お笑いおもいで

 一人暮らしの時間は一部、というか

はんぶんくらい空想で埋められる。

 他人の作った空想をたのしむこともあれば、

じぶんの過去を思いだして笑うこともある。


「K体掌説(九星鳴著)」を読む。

 とても有名な作者が、別のペンネームを使って書いた

短い話がたくさん集められている。

 そのうちの一つ、「あのひと」。

 訪問者から消息を尋ねられたひととは懇意にしていたのだが、

あるときから会っていないんだと彼は話す。

 長い間会っていないからきっと、見た目は変わっているのではないかと

彼は危惧するのだ。

 昔は好きだったし、胸が締めつけられることもあると言う。

 けれどどうして彼女に裏切られたのか、彼はわからないと頭を振る。

 そして告白をする。


 追憶はどんどんわいてくる。

 いつだったか、金魚園へ弟家族といっしょに遊びに行った際、

七十代とおぼしき女性が弟に近づいてきて、

天気の話から始まって、金魚の選びかたを尋ねたりしていた。

 弟は人見知りをしない男なので、ひとしきり話しこんでいた。

 となりにいた僕へ、ついに話が飛び火した。

「ところで、あなたがたは親子?」

 父親のほうだと断定された弟は「もう、もう、もう」と

笑いながらくやしがっていた。

 思いだしては笑いながら、弟は今どうしているだろうかと

思いをはせる。毎年会ってきたのに、二年会っていないのだ。

 結婚して関東に住んでいる彼は、二人の子どもに恵まれて、

すてきな奥様と楽しく暮らしている。


+++++

 昨日月曜の稽古は3人で、

基本(パンチとけりをかっこいいフォームですぶり)、

パンチに対する防御(お手てで防ぐ、にくたいを沈ませて防ぐなど)、

蹴りに対する防御(あんよをあげてふせぐ)、

約束組み手(相手のパンチやけりに対してぶあって投げるまで)、

マス・スパー(きままにぼかすか叩いて、ぐちゃっとする)。

 あなたは今日もがんばった。

 もえながらほほえむあなたはうつくしい。

 ぼくはごしゅじんのちかくでふせているけもの。

 あなたのこころの、せんぞくようじんぼうになりたいのです。

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場は静岡駅近くで稽古をしています。 空道は総合格闘技であり、礼節を重んじる武道です。 責任者・門井研は、大学入学から現在まで35年のキャリアがあります。 静岡県空道協会と静岡市空道協会に所属。 空道は、2026年青森県国民スポーツ大会のデモ競技となりました。

0コメント

  • 1000 / 1000