観葉植物に名前をつけて、声をかけると元気になると新聞で読んだので
さっそく初めて一か月が経つ。
最初に困ったのは、名前をどうつけたらいいのかわからないということだった。
植物に知っている人の名前をつけられないし、憧れのひとの名前もつけられない。
「父さん今日は隣の家で犬が生まれたに」とか「さなぎマンはそこで立ち尽くして疲れたら」などと話しかけると一日中会話が途切れそうにない。
なので、朝起きて水やりをする際、
買ったときについていた札の名前をそのまま呼びかける。
「ガジュマルおはよう」はまだいいが、「エスキナンサスおはよう。今日もきれい」「フィカス・ベルガンシスおはよう」「ドラセナ・ソンゴブインディアおはよう」と続けているうちに言葉が混じりあって、セイヨウイワナンテンとヒマラヤソケイが西洋鼠径、ひまらや南天となってしまう。
室内に20鉢、ベランダにも同じ数が並んでいるため、
水やりはたっぷり十五分くらいかかるのだった。
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今日の稽古は、
怪我をしてリハビリ中の後輩と二人で秘密の特訓である。
道場のある貸しスタジオである旧幼稚園舎を、稽古を終えてあとにするとき、
1Fから「すみませんんん」と声が聞こえてきた。
1Fの旧教室から出てきた女性は、芸術的なダンスのスタイルである。
施錠をするときの暗証番号を聞かれて、とっさにテレパシーで想念を送りこむと
わがっだあと答えが返ってきた。
ひとにはいつも親切にしたい。別段、自分がしたことがかえってくるとかそんなことは考えていない。微笑んでいる世界が好きなのだ。
争いを好むひとがたくさんいるなかで、
空道を稽古することにはとても意義がある。
やさしいひとたちをぼくは応援したいのだ。
苦難に遭っても、影で叫んでいるのだ。
〈他人を利用する道具だと思っているビジネスマンになど負けんくていい〉
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