識閾下のながめ

 出かけるときに、ガスの元栓を閉めたかどうか

わからなくなって「たった1分前にガス台の前にいただになんで」って

自分を責める。

 冬になると必ず毎年足の指先が白く、黄色くなって

血が通わなくなって、ならもうどこも通わんし

火曜日だって通う日じゃないって

思おうと考えるし

自分のことをあまりにも信頼していないので

なんだかかわいそうだ。

 かわいそうというのは、あの可愛らしい

かわうそではなくて

自分への憐憫ではなくて、

自分のことをちょっとでも信頼してくれる、

他の人に比べてはるかに少ないけれど、でも

わずかにはいるだろうひとたちが

ばかをみるのではないかと思うからだ。

 信じてばかをみたと思われたくなかった。


 今日の稽古は、怪我をしている時でも

楽しみたい空道スタイルで。

  

 たくさん負けちゃった。

 衆目にさらされるのも恥ずかしい限りなのだけれど、

なにもかもはうまくいかないので

これも習い性と思えばああそうかと得心がいくかも。

 大人なのに、情けないんですね格好悪い人もいるんですねって

思ってもらえるのもそれでいい気がする。


 識閾下へ沈んでいく。

 ひとをたすけたいのに自分がおぼれる。

 けれど水が肺を満たすまでは。


(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場

(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場は静岡駅近くで稽古をしています。 空道は総合格闘技であり、礼節を重んじる武道です。 責任者・門井研は、大学入学から現在まで35年のキャリアがあります。 静岡県空道協会と静岡市空道協会に所属。 空道は、2026年青森県国民スポーツ大会のデモ競技となりました。

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