明け方、夢を見た。
暗い部屋で固定電話が鳴っている。
電話に出ようとするのだけれど、
寝室から起き上がって、
アルコールジェルみたいな空間を泳いで行くので
居間に着くまでにとても苦労する。
電話に関しては思い出がある。
大学に入学して一年間は、一人暮らしのアパートに電話がなかった。
冗談、と思う向きもあるかもしれないが、
家にお金がなかったのである。授業料は大学と、日本育英会の奨学金を借りた。
返すのは結構たいへんだった。
アルバイトも月に十五万円くらい稼いでいたし、
空道ばかりしていたので
授業に出ていなかった。
携帯電話は誕生していなかったので、
大学の友だちが、授業に出てこない僕に連絡を取るための手段は、
電報だった。本当け? と聞かれるかもしれない。
でも、ほんとだに。
友だちはみな、当たり前の手段として電報をくれた。
みんないいやつだった。今でも友だちである。
電話にまつわることを、夢の中で思いだしたわけではないけれど。
留守電にしていないのに、
母の声が聞こえてくる。
若いころ「石野真子に似てるって言われちゃった」と言い、
最近でも「倍賞千恵子に似てるって自分で思う」という人だが、
「ああもう、あんたいつも電話に出ん」と言っているのが聞こえてきて、
慌てて受話器を取る、そこで目が覚めたのである。
両親から電話がかかってくる夢は、
色々な意味があるとネットに出ていた。
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今日の稽古は久しぶりに賑わう。
稽古が終わって雑談をしていると、
後輩が改まった顔で「伝えたいことがあります」という。
おおいわしゃあ、おぬしのお父さんかあ、と言おうと思った矢先、
「転勤が決まりました」と告げられた。
とても寂しくて悲しい。
母からの電話の夢は、このことだったのかと
合点がいった次第である。
日曜は15キロ、いったことのない地区を走った。
全然知らないまちだった。
でも、とてもきれいなところである。
15キロがランの限界なので、
帰宅してから翌日は足がとても痛い。
まだこれから、がんばります。
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