五年、十年、二十年前の自分が写っている写真を見ても、
それほどの変化はわからない。
でも例えば、ぼくのことを知らない人が
三十年前のぼくの姿を見たら、
「誰」と訊かれる。
毎日自分自身と会っているぼくは
自分の足りないところに日々気づくし、
夜になって「今日も革命を起こせなかった」と
省みるばかりである。
数十年も全く変わっていないのである。
我が身の長所を探すのに時間を費やしすぎて、
目の下に隈ができていることがわかって、
これが変化かとヨロコブのかクロマメに働くのか
正月に食べなかったおせち料理に思いをはせる。
変化は明日訪れるものではなくて、
何年もかかって、あるときやっと気づくのではないか。
週課10kmを走る。
道程は犬の顔をしている。
もう少しで桜が咲ききろうとするのを見て思う。
個性のことを。時に奇抜に見える才能のことを。
支える地道な訓練のことを。だから笑顔がはじけることを。
あなたが自分で努力だと思っていないとしても、
他の人は、口には出さないけれど、
賛美しているのだ。
一番のファンだと最前席で遠吠えしたいのだけど
近所迷惑なのでやめる。
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