土曜日、ロードワークをしていると
田んぼの中から高齢の女性の声が、はっきりと聞こえてきた。
「お米! いれんと!」
トラクターに乗っているご主人が叱られていて、
女性の声に色めき立つ十数羽のサギが、
ばたばたという音をたてている。
人間のいさかいに、サギも動揺していた。
※写真はちょっと離れた場所です
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日曜は市内観光(たび)をする。
午前中は曇り空だったのが、
次第に晴れてきたので出かけていく。
夏の間に行きたかったものの、いけなかった舘山寺へ。
浜松市の中心市街地から16kmなので、
「ランニング」か「ロードバイク」か「カホ(ここだけポルトガル語かあ)」か
手段を迷った末、
車で向かう。
とても小さな離島のような感覚がする場所を
ぐるりを経めぐる。
巨大な観音像が立っていたり、
波に洗われた奇岩を見たりする。
そんなに混雑していない。途中、地元の小学生と行き交い、
「こんにちは」と挨拶をする程度である。
空海が21日間こもって石仏を刻んだ「穴大師」に入ると、
菊池寛「恩讐の彼方に」を思いだした。
書かれていた土地も、状況も全く違うけれど、
何かに取り憑かれたような念に心が動かされる。
日常と違うところへ身を置くと、
肩の力が抜ける気がする。
虚仮の一念が昇華することを、
信じている。
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